江ノ電グループは全事業において、お客さまに対する「安全」・「安心」・「お客さま第一」を最優先に提供する強い意思により、一層皆さまに愛され、信頼される存在として社会の発展に貢献すべく、役員、従業員一人ひとりが追求し、邁進していきます。
江ノ電グループでは、安全に関わる管理体制の構築・改善の取り組みに、代表取締役社長を含む取締役が積極的に関与しています。
江ノ島電鉄㈱において6月、11月を除き毎月開催される輸送安全推進委員会では代表取締役社長が委員長を務め、江ノ島電鉄㈱の全事業が参加し、輸送安全の向上と異業種間の情報共有と共通認識の徹底を図っている他、毎年6月、11月には江ノ電グループ全社を対象に江ノ島電鉄㈱代表取締役社長が議長となり、グループ包括的な安全向上を議論する江ノ電グループ安全マネジメント会議を開催しています。
また、鉄道事業では、鉄道部長を部会長とし、鉄道運転事故等の調査や事故防止策、ヒヤリハット・安全シグナル等の安全に関する意見について検討及び実施結果を検討する鉄道安全推進部会や、「輸送の安全の確保」に関する業務を統括する安全統括管理者が安全に関する課題に対して各現業職場の係員一人ひとりと意見交換を行う「セイフティミーティング」を毎月開催する等、安全管理体制の強化を推進しています。
鉄道事業では、お客さまにより安全・快適にご利用いただけるよう、毎年様々な設備投資を行っています。
2016年度(平成28年度)は総額に対して安全対策として43.1%、サービス向上として 38.7%の設備投資を行います。
なお、安全対策の主な内容は、PC枕木更新や法面防護、踏切保安装置更新工事等です。
東⽇本⼤震災による被害を踏まえ、津波等の災害時対策として、全駅に災害時の避難場所マップを設置しています。
また、駅からの避難経路を⽰す災害時避難場所路面シートを各駅周辺に設置し、2015年(平成27年)からは、地震や津波等の災害対策の紹介や、お客さまがご利⽤の際に災害が発⽣した場合の初動対応⽅法、各駅からの避難場所マップを⼀冊にまとめた災害時避難ハンドブックを制作しました。同ハンドブックは全15駅に設置し、災害発⽣時の備えとして配布しています。
鉄道事業では、駅施設及び⾼架橋・橋梁・トンネル等62箇所の構造物調査を実施し、発⾒された15箇所の不良箇所のうち、3箇所の補修⼯事を完了しました。
残る12箇所についても、経過観察により異常がないことを確認していますが、今後も随時、構造物調査を継続実施し、災害に備えていきます。
鉄道事業では、事故発⽣時等にお客さまが緊急で列⾞を停⽌させるための列⾞⾮常停⽌ボタンを 10 駅(⽯上駅、柳⼩路駅、鵠沼駅、湘南海岸公園駅、腰越駅、鎌倉⾼校前駅、七⾥ヶ浜駅、極楽寺駅、由⽐ヶ浜駅、和⽥塚駅)に設置しています。
また、湘南海岸公園駅には、ホームからお客さまが転落した場合に感知する、転落検知マットも設置しています。
鉄道事業では、2015年度(平成27年度)末現在、⾃動⾞や歩⾏者等の通⾏が多い 20 箇所の踏切道に踏切⽀障報知装置を設置しています。
また、春・秋の全国交通安全運動期間中に、踏切歩⾏者及びドライバーに対する踏切利⽤時の安全啓発活動を実施しました。
更に、踏切障害事故は乗⽤⾞等の遮断桿が下りる間際の横断、無謀通⾏、運転操作の誤り等、道路通⾏者に起因する事故原因が⼤部分を占めていることから、毎年、警察署等沿線⾏政機関との合同により「踏切事故防⽌キャンペーン」を実施し、踏切を通⾏するドライバーや歩⾏者に対する踏切事故防⽌への啓発活動と、⾮常時の踏切⽀障報知装置(⾮常押しボタン)使⽤のご協⼒をお願いし、交通社会全体での運動を展開しています。
腰越併⽤軌道における道路障害事故の多くの原因が、ドライバーの電⾞接近への認知の遅れによるものであることから、ドライバーの早期認知を促すため、常に前照灯全灯(上向き)にて運転しています。
また、2015年度(平成27年度)は、江ノ島駅〜腰越駅間の腰越併⽤軌道における道路障害事故発⽣場所の⼀つである、神⼾橋交差点に乗⽤⾞等に列⾞接近を知らせる表⽰器を新たに設置しました。
これら設備的な対策以外にも、道路混雑時や祭礼等の警備員配置のみならず、腰越併⽤軌道での⼤規模な祭礼に際しては区間運休を⾏い、道路障害事故未然防⽌に取り組んでいます。
江ノ電グループでは、防災週間の⼀環として毎年事故、災害等の不測の事態に備え、様々な想定による災害対応訓練を実施しています。2016年(平成28年)9⽉には、関東南部を震源とした地震が発生し、相模湾沿岸に津波による避難指⽰が発令された想定でグループ全社で対応訓練を実施し、鉄道事業では列⾞⼀時停⽌訓練、各駅や観光施設等から津波⼀時避難場所までの避難訓練等を実施しました。
鉄道事業では、様々な異常事態発⽣時に適切に対応可能な知識と技能の向上を⽬指し、各種訓練に継続して取り組んでいます。
2015年(平成27年)11⽉には、極楽寺検⾞区で所轄警察署・消防署との連携により、踏切障害事故を想定した異常時総合合同訓練を実施した他、脱線復旧訓練、出発信号機故障時を想定した閉そく⽅式変更訓練、⾞両故障発⽣時における⾞両収容や早期復旧に向けた訓練等を実施しました。
鉄道事業の施設におけるバリアフリー化対策として、2015年度(平成27年度)は腰越駅に⾞いす⽤簡易昇降機を、稲村ヶ崎駅に⾞いす⽤スロープをそれぞれ設置しました。
また、2016年度(平成28年度)は七里ヶ浜駅に車いす用簡易昇降機を設置しました。
なお、ソフト⾯の対策としては、従業員のサービス介助⼠取得を促進し、2017年(平成29年)3月末現在の有資格者は鉄道事業全体で計77名(現業係員75名、本社2名)となりました。
更に、資格取得後の時間経過による知識の⾵化を防ぐため、2017年(平成29年)2月にフォローアップ研修を実施する等、有資格者の知識定着を図り、お客さまサービス向上に努めています。