LANGUAGE

メニュー

サイトメニュー
閉じる
総合トップ江ノ電ファンページ江ノ電博物館当方見聞録第1章 第3回 生活路線の確立~明日の江ノ電バス(平成15年12月号掲載)
当方見聞録

第1章江ノ電バスの軌跡~日本のバス創業100周年によせて~

平成15年12月号掲載

第3回

生活路線の確立~明日の江ノ電バス

昭和40年代をむかえると、高度経済成長を背景に都市部における人口の集中が顕著化し、転入者の居住地として各地にニュータウンが形成されました。もちろん、湘南地区や横浜市郊外も例外になく、必然的に当社バス路線の延長計画も通勤通学輸送を主眼に進められるようになりました。現在、1日5千名以上のお客様にご利用いただいている飯島団地線(昭和43年運輸開始)をはじめ、団地と駅の直結路線もこうした背景のもとに整備されたものであります。さらに、経済成長を裏付けるかのようにマイカーブームが到来したことにより、観光旅行の主役がバスから自家用車に移行し、次第にバスは身近な生活の足としての役割が色濃くなっていきました。

ところが、年次加速の一途をたどるモータリゼーションが、レジャー以外の分野にも侵食しはじめるとともに交通渋滞を誘発したことにより、バス事業をとりまく環境はオイルショックによる影響とも相まって悪化し始め、その対応として、より旅客ニーズに即したサービスの提供が必須となりました。当社においても、サービス向上策の一環として、乗合車両の冷房化(昭和55年より順次導入)や深夜バスの運行(昭和63年より運行)、さらにはバスカードの導入(平成7年より順次導入)などを適宜実施し、現在も、環境保全やバリアフリーに即応した車両の導入を推進しています。また新規試みとして、機動性や柔軟性を考慮したミニバス路線の開拓を進めておりますが、そのひとつである桜道線(上大岡駅前~洋光台駅)が、桜並木で有名な「桜道」を経由することから、本年9月、バス創業100周年にちなんで関東運輸局が一般公募した「関東乗合バス100選」に選出されるに至りました。

そして、湘南地区と横浜市西南地区に200kmあまりの路線網を構築し、生活、あるいは観光の足として年間2,600万人のお客様にご利用いただいている江ノ電バスを、より利便性の高い交通機関に育成するために、今後も新型車両への代替をはじめ積極的な取り組みを展開してまいります。当社鉄道線(江ノ電線)同様、変わらぬご愛顧をお願いいたします。

『江ノ電の100年』は、開業100周年記念事業の一環として平成14年9月に発刊された江ノ島電鉄のオフィシャル史料です。400ページにわたるその構成内容は、鉄道以外の事業にも焦点をあてることにより社史としての平準化をはかり、新たに発掘された史料や貴重な写真も多数収録されております。